2007年巻頭言


 師走、晦日、新年!!
 
巻頭言 2007年12月1日 発行:福島CW愛好会


●先月の事、突然メールの送信が出来なくなり、原因が分かるまで1週間悩み続けました。私の知りうる限りの対策をあれこれ講じたものの、にっちもさっちもいかず、サブのデスクトップのパソコンもノートパソコンもNG。家族のはきちんと動作するのに、私のパソコンだけが送信できない。それでルーターからパソコンを繋ぐランケーブルにトラブルが生じたのかと、電気屋さんへ買いに走ったりしてもNG。これで万策尽きたとガックリ来たところで、ネットに救いを求めました。同じエラーをしている人が他にも居るかも知れないと調べた結果、解決方法がようやく見つかりました。何ということは無い、勝手にプロバイダーがポート番号を変更していたのです。私の家では、4年前からYahooと契約しており、家族はそのままYahooのアドレスを使用しているため問題は生じなかったのですが、私だけは、10年前から使用しているHi-Hoのメールアドレスをそのまま(毎月500円を払って)使用しているために起きたハプニングでした。もしかしたら、プロバイダーから”変更のお知らせメール”が来ていたのかも知れないのですが、特に最近は迷惑メールが多くて、必要なメール以外は何でもポイポイとゴミ箱に捨てていたので、気付かなかったのかも知れません。
 迷惑メール対策として、「Outbound Port 25 Blocking」(自社のメールサーバを経由しない送信メールを規制する施策)の実施がプロバイダ各社で開始されており、設定変更が必要だとの話。そんな事とはつゆ知らず”私だけ繋がらないのはオカシイ・・・”と、パソコンそのものの異常かと頭を悩ませていたのです。

○そんな訳で、今後はプロバイダーからのメールも一通りは目を通さねばならないと、思っているこの頃です。皆様もお気をつけ下さい。

 先月は、上記のパソコンのトラブルから始まり、実家へ帰省したりとバタバタ過ごして、結局一度もリグを暖める日がありませんでした。下旬に行われたCQ Worldwide DX Contest CWに、SSBさんやMJさんは参加されたそうですが、他の方は如何だったでしょう? 折角作ったQSLカードがいつまでも減らなくては仕方がありませんので、私は先月の分も頑張ろうと、残り1枚になったカレンダーを横目に見ながら考えていました。昨日、私に届いたQSLカードは、7枚だけ。アクティビティの低さが目に見えて寂しい・・・Hi !

○次のCW講習会は、2月3日です。午前中には、JA7BPJ梅津さんの「半田付け実践教室」が開かれます。皆様のご出席をお待ちしております。

        2007年12月1日  FCWA事務局 JI7VBW/堀切洋子


●とうとう12月に成ってしまった!忙しい雑用の多い月である。XYLが元気な頃はあれこれと好き勝手できたのだが、家事全般を手がける身には雑用でOfficialなJobが出来ないとイライラが募ってしまう。忘年会なども昔は気軽に出かけたが、健康に自信がなくなった最近は近場で早い時間なら参加できるが一泊と言われると億劫になるのだ。やれ冬タイアの交換とか、税金納付だ、集金だ、病院だ、買い物だ、掃除だ、洗濯だ、贈り物へのお返しだとか、年賀状、Webの更新、来客とのお話、そして大切なアマチュア無線、合間にはメールだ、機器の修理だ、アンテナの保守だ、いや会社からのお知らせとか会議などが詰まってくると、逃げ出したくなる。

○二人で処理したことが独りでするのだから当然仕事量は2倍を越えるのだ! それにも拘らず動作は鈍くなる、歩くのは下手になる、家のリフォームもある、庭仕事? 自然と部屋の掃除が出来なくなるのだ。ボヤーツと窓から外を眺めたり読書の時間が減ってきている。散歩の時間なんて在るわけがない。

○歳を取ると汚くなるような気がするから床屋さんと着替えには気を遣うが、靴下をちぐはぐに履いていたり、時にはシャツを裏返しに着ていたことにあとで気付くのだ。ズボンのプレスとかスーツのアィロン掛けなどはもっとも苦手だ。独身生活を余りしたことのなかった私は食事をつくるなんてしたことがないのだ。XYLの有難みがやっと判ったのだ。

○今日も灯油を買ってきたり、冬タィアの入れ替えとか、納税をしてきたらアッと言う間に午後が過ぎてしまった。明日は日曜日の忘年会の準備に大童である。困った! そんな中でCQ WW CWコンテストに参加したのだが、前後の雑用処理には疲れたのだ。それでも運用時間の10時間で230局をこなした。流石にあくる日はボヤーッとしていた。差し入れのヒラメの刺身に久しぶりに味覚を満足した。ゴチソウサマでした。事ほどに老人は忙しいのだ。

○歳を取ったら無線をして夫婦で過ごそうという夢はホントに夢で終ったのか?と頭を抱えているのだ。さて来年はボランティア活動を半分にして浮いた時間でユックリと過ごそうと思っている。そして健康を保持しよう。お正月は猫と二人でラジオ弄りに専念して雪見でもする予定だ。

        2007年12月1日。編集長 齋藤醇爾/JA7SSB Junji Saito


 林間に紅葉を焚く!
 
巻頭言 2007年11月1日 発行:福島CW愛好会

●10月28日、A1クラブ主催の”第9回Let's A1コンテスト”が行われました。全市全郡コンテストの時に裏磐梯でお会いした方達と、お空で会えるのではないかと期待しながらダイヤルを回しました。その中のお一人だけコールサインが聞こえたので期待したのですが、呼ぶ側でしたので、こちらからコールするわけにもいかず残念でした。結局彼らのCQには出会えませんでした。それでも私は、3.5メガと7メガで知らない方達と交信できて、短時間ではありましたが久しぶりに楽しみました。和文での交信も良いですが、コンテストも又楽し・・・といったところでしょうか。なにしろ名前も住所も言う必要が無く、レポートナンバーだけ送ればいいのですから、お気軽です。海外のコンテストは敷居が高いと思っている方は、国内のローカル・コンテストから挑戦してみては如何でしょう?

○霜降月、神楽月、雪待月・・・11月も色々と呼び名はありますが、古典で習った”霜月”という言い方が一番分かり易いかも知れません。花ミズキや桜などの街路樹が色付き、そろそろ落ち葉掃きが始まる頃・・・私の一番好きな季節が巡って参りました。福島市内には意外と欅(けやき)の並木が多く、夏は緑色の葉が日陰を作ってくれますし、秋は橙色に色付いて緑色の葉とのコントラストが綺麗です。我が家にも何故か1本だけ植えてあるのですが、何時の間にか一番ノッポさんに育ちました。夏の暑い陽射し避けて雨除けにもなり重宝しています。
 
○10月31日〜11月2日は、ハロウィン、日本でいうお盆にあたります。元々中世、アイルランドのケルト人の収穫感謝祭がキリスト教に取り入れられた行事で、死者の霊だけでなく精霊、魔女、魔物もこの世にやって来るという言い伝えがあり、これらから魂を取られないようにするために仮装をして魔よけの焚き火を焚くそうです。かぼちゃのランタンをかざして、あの世とこの世を彷徨うジャックの伝説から、かぼちゃがハロウィンを象徴するようになったようです。ーアメリカに渡る前はかぼちゃではなく、かぶ(チューリップとも言われている)でした。ー 日本では、昔は殆ど知られていなかったこの行事も年々浸透してきて、スーパーマーケットに行っても、かぼちゃの置物が置いてあったりお菓子が売られていたりしています。日本でかぼちゃの出番といえば”冬至”ですが、所変われば・・・といったところでしょうか。

○焚き火といえば、FCWAでも3日4時頃から二本松の野営場で”焚き火会”を行います。お時間のある方は、焚き火を囲んでのお喋り会に、是非お越し下さい。

        2007年11月1日  FCWA事務局 JI7VBW/堀切洋子


●紅葉のシーズンは今がたけなわです。世の中はインチキとか詐欺紛いの商法がまかり通る最中に、せめて連休中は心の憂さを晴らして酒に浸るもよしとせんカ!と思いたくなる。怠けるなとか、効率アップとか、倹約とかを忘れるのもいいかもしれない。それが覚めた後がヨシヤルゾ!となればいい酒の嗜み方ではあろう。いつも緊張の連続ばかりがよい結果を齎すとは思えない。しかしこれは精神的なものであって物理的にはナンの効果も無いことは知っておきたいのだ。

○塞翁が馬という言葉がある。塞翁という人の馬が逃げ出してガッカリしていたら、この馬が暫くたって駿馬を連れて戻った!息子が喜んで乗っていたら、馬に蹴られて寝込んでしまった。ところがソレが縁で医者にかかっていたら良縁が舞い込むというお話だ。人生は一瞬一瞬には不幸もあろう。しかしその不幸が幸いを齎す!こともありうるというお話だ。長い目で見なければ人生の幸不幸は言えない!ということだろう。馬を失って落ち込んだり、悲観して死んだりするな!と云う事かもしれない。終わりよければ全てヨシ--ともいう。30歳代とか40歳代に大成功しても、欲を突っ張って日付を改竄したり、人に嫉まれてアッと言う間に倒産したり、全財産を失う例を多く見る。人生を謙虚に生きる努力をするものは必ず報われるという。

○退職金を増やして、何もしないで過ごそうなどと考えて「円天」を買った!とか、フィリッピンに土地を買ったとか、己の才を越えた知恵に溺れて全てを失ってはいけないのだ。己の才以上の富を持ってもそれを活用できる人は居ない。会社の金を利用して個人財産を増やした社長や政治家の末路の哀れを多く見てきた。高級官僚もそうだ。初心を忘れた人の末路ぐらいミジメなものはない。格差を埋めるには絶えざる努力がいるのだが貴方は人以上の努力をしているか? 人のマネをして利殖を追い求めたり地位を求めたりしていないか?絶えず考え直してみよう。

○貴方の卓上の無線機を改めて眺めてみよう。何故それを昔のように好きになれないのか? アンナに熱中したのに今それが何故さめたのかが問題なのだ。人の所為にするな!貴方の何処かに欠陥があるのではないだろうか? それを改めない限り貴方は全てを中途半端にして人生を終わるかもしれない。己の外に眼をやるのも大切だが、己の内なる心を見直すことをしているか?も振り返る必要があるのではないか?人に出来るから己にも出来ると単純に思うのは間違いだ!それは同じものを求めるという間違いから発している。マネは偽者なのだ。真似の中から独自のものを生み出してこそ本物になれるのだ。真似を越えるものを一つ持つことが如何に大切かが「その人となり」なのだ。

2007年11月1日。編集長 齋藤醇爾/JA7SSB Junji Saito


 眞の技法を伝える!
 
巻頭言 2007年10月1日 発行:福島CW愛好会


●市町村合併が推し進められ、ここ数年で多くの郡がなくなり新しい市が誕生しました。昔7メガでQRVしていた頃は結構覚えていたのですが、正直、最近の市や郡の名前はサッパリ分かりません。『CQ ham radio』10月号の付録に『JCC/JCGチェック・ノート』がついています。その中に”消滅市郡リスト”というのが掲載されており、私に縁のある県をジックリ眺めてみました。時代の流れとは言え馴染みのある市郡が無くなっているのは実に寂しい限りです。しかし感傷に浸ってばかりいても仕方がありませんから、これからアクティビティを高めて、新しい市郡を覚えていく事にしましょう。
10月と言えば全市全郡コンテスト。今年は、6〜7日に開催されます。この日JE1TRV谷口さんなどA1クラブのメンバーが、裏磐梯のしらかばペンション( http://www17.plala.or.jp/sirakaba3/)でコンテスト合宿をされます。私もドライブがてら行ってみよう思っております。お時間のある方は、どうぞ顔を出して下さい。

○先日の秋のミーティングで、JA7BPJ梅津さんが、長年の仕事から得た技術の一部を皆さんへ伝授すべく「半田付け実践教室」を開催してくださる事が決まりました。開催日は、CW講習会(2月3日午後1時から)と同日で、午前10時〜12時です。会場が決まり次第、お知らせ(FCWA)のサイトへ掲載します。近年、アンテナの同軸ケーブルとコネクターの半田付けはハムショップにお任せして、自分で半田ごてを手にする機会が無くなってしまいました。元々自分で綺麗に付けることが出来ないし下手すると通電しない可能性がありますから、ついプロに頼ってしまいます。アマチュア無線に限らず、電子工作の基本とも言うべき半田付けのコツを、この機会に学び習得できれば幸いです。どなたでもご参加頂けますので、関心のある方はご出席下さい。

○指示待ち人間(人から言われた事しかやらない、人から言われた事以上のことがやれない人)が多い中で、自主的に「半田付け実践教室」を企画された梅津さんに感謝します。それぞれの方が、得意な分野をお持ちだと思います。その中の万分の一でも皆さんへご教授頂けたら、どんなに素晴らしいでしょう。自ら進んで企画して戴きたいですし、又”こんな事を学びたい”と思う事がございましたら、事務局までご連絡下さい。

○これから過ごし易い気候となります。リグに灯を入れて、日本の、そして世界のハムと交信し、平和な心の糸を紡ぎましょう。

        2007年10月1日  FCWA事務局 JI7VBW/堀切洋子


●真のボランティア活動とはお金を取らないと云う事だけではない。上げることでもない。活動の中身が本物であることが必要になるだ。似非(エセ)科学だったり、隠れた商売の宣伝だったり、巧妙な詐欺紛いの事だってある。しみじみと思うのはジャンク・メールと呼ばれる卑猥な文字で来るメールなどでEメールが余計な情報送信に費やされている中に明らかに詐欺紛いのメールがある。しかしこれを警察に通報するアドレスも発表されていないし、処理機関もない。大切な情報伝達のインターネット網がこんなくだらない事に回線を混雑させていることがもったいないが、ここらを整理整頓するボランティアはいないのだろうか?

○海外のODA事業などを見聞きすると、この援助も実態とかけ離れたものを多く見るのだ。日本が国際援助と称して行っている何億円という援助が意図したところに行き着くのには10%もないのではないだろうか?多くは経路の途中で乾いた地面に吸い込まれるように失われているのだが、変な仲介事業者に吸い取られている。砂糖に群がる蟻のようなボランティアもいるものなのだ。

○大新聞に堂々と広告していた数年前のものの中に最近詐欺紛いの行為でマルチ商法だったとして訴えられているものもある。こうしたものを検証するのは困難なのはわかるが、それでも取り組まねばならないものだろう。悪徳とか、犯罪を取り締まるための技術とかにもっとカネをかけてもいいはずだ。無心に携帯メールを操作している若者がこうして犯罪に巻き込まれて犠牲になる記事が後を絶たない。

○犯罪が起こってから対処するのでは遅いのだが、先端技術がこうした手合いに使用されるのを防止したり、取り締まるための機関が欲しいと考えていた。

              2007年10月1日。編集長 齋藤醇爾/JA7SSB Junji Saito


 伝統を後世に残す誇りを!
 
巻頭言 2007年9月1日 発行:福島CW愛好会


● 関東大震災のあった日にちなんで1960年より9月1日が『防災の日』と制定されました。今年は、石川県能登半島地震、柏市を中心とした新潟県中越沖地震が記憶に新しいですが、北海道、千葉県・・・と、あちらこちらでチョコチョコと地震が発生しています。4つのプレートが重なった上に日本列島があるのですから、動かない方がおかしいくらいですが、それでも自分の住んでいる地域は昔から発生したことがないから大丈夫などと自分に言い聞かせている節があります。大地震で最初に倒れていったのは、古い家屋と聞いています。補強するなどの対策をとって被害を最小限に止めたいものです。
 
○気象庁では11年ぶりに天気予報などに使う用語の改正を行い、この4月より、最高気温が35度以上の日を”猛暑日”ということに決めました。これまで25度以上を夏日、30度以上を真夏日とされていましたが、更にその上の猛暑日が設定されたのです。福島市は盆地であるため元々冬は寒く夏は暑いのですが、特に今年は猛暑日が6日も続きました。これまでの日本の最高気温は山形市の40.8度でしたが、8月16日に多治見市(岐阜県)と熊谷市(埼玉県)で40.9度を観測し、何と74年ぶりに更新されました。このままですと、”猛暑日”の次の”40度を超す日”の名前がつく日も、そう遠くないかも知れません。スイッチ一つで快適な空間を得られる恵まれた国に住んでいる私達は、せめてエネルギー消費を極力抑える努力をすることくらいはしていきたいと思います。

○京都のT氏から祇園祭のDVDが届けられました。祇園祭は東京の神田祭、大阪の天神祭とともに日本三大祭の一つですが、およそ1100年前に厄病除け祈願から始まったものだそうで、祭事が1ヶ月に亘って行われるとは知りませんでした。メインは17日の32基の山鉾巡行で、観光客は有料観覧席に陣取って、その行列が過ぎるのを観覧しています。ユッタリと流れる感じが良いのかも知れません。伝統を継承しているお祭りは、歴史の重みが感じられて素敵です。それに比して、この辺りのお祭りは人が集まらないからと、勝手に日にちを変更して土、日に行うようになったりしていますが、その日の意味が無くなり寂しい限りです。これは、国民の祝日にも当てはまりますが、成人の日、敬老の日、体育の日など、何かを記念して出来た日であるはずなのに、後世の人の都合で変えられるのに抵抗があるのは、私だけでしょうか。

○伝統文化を考える時、トンとツーの組み合わせだけで会話するモールスの世界は、正に職人技でありますし、巧みなキーイングは太鼓のバチさばき同様、人を感動させるほどのものでもあります。日進月歩の世の中で生まれるもの消滅するものは当然ありますが、祇園祭のように、CWも古き良きものとして後世に残していけたらと願いながら、明日のCW講習会の準備をしつつ思いを馳せています。当日参加もOKですので、興味のある方はどうぞ遊びにおいで下さい。詳細は上記の「お知らせ」FCWAをクリックして下さい。

           2007年9月1日  FCWA事務局 JI7VBW/堀切洋子


●企業メセナという言葉は一方ならずお聞きになったことだろう。それは企業が文化に貢献する行為を指す。古くはイタリィのフィレンツェの王だったメジチ家に端を発する。教会の建設からはじまり多くの芸術家を養い、宮廷文化を伝える傍らで北イタリィ地方に独特な文化を残した。ウフィッイ美術館を訪れるとわかる。日本ではサントリィ・ウィスキィとかブリッジストン・タイアが魁だ!半世紀も経つと多分電力会社がそうなるだろう。利潤を株主に還元するという美名に隠れて多くの企業が我田引水を恥じも外聞もなく追い求める。それの下劣なのが、コムソンとか、村上ファンドだったり、ホリエモンだったりするが、ここらには文化は残らないのは勿論だ!!

○己の歩んだ足跡が文化という企業もあるし、時代によって価値評価は様々なのは理解できる。福島県にもゼビオの創始者の諸橋さんの名を冠した「諸橋美術館」はダリの日本一の収集家だった故人が残したものだ。庶民の遺したものとしても「会津塗り」とか「お酒」などがある。しかし単に便利なとか、観光客目あてのみやげ物と言った儲けのために生まれたものはファッションが去ると同時に消えていく。後世に歴史の過程の一つとして残る足跡を「文化」というのだろう。

○大切なのは、文化として残る価値を保護し、正しく伝える努力がなされなければならないのだ。そうした行動をする人を文化人という。己の為にのみ残そうとする人もいる。シミジミと人の差を感じないか? 私はなにもモールス符号を文化とは言わない。しかしモールスを学ぶ課程でその背景に電磁波通信がどうして発展してきたかを正しく伝えれば、それはIT文化になるかもしれない。すでにクラシック・カー等は文化遺産の一つに近い。アマチュア無線を、道楽とか、お遊びという方が居る。そうした方もいるだろう。しかし段々とアマチュアが減少していって本物しか残らない時代になって初めて理解されるアマチュア無線があるだろう。それは通信の発達過程を反映する物のはずだ。私はソウ思いながらCWに取り組んでいる。お月様をみて美しいとおもうように、奇麗な気品のあるQSOをしている局に、美しさを感じるようになったら本物だろう。

            2007年9月1日。編集長 齋藤醇爾/JA7SSB Junji Saito


 変化と進歩 !
 
巻頭言 2007年7月1日 発行:福島CW愛好会


●6月が過ぎ、早いもので上半期が終了しました。今年は例年より遅く梅雨に入りましたが、入梅の時期のことより気になるのが気温です。例年福島では、梅雨の時期は気温がぐっと下がって長袖を着ないと過ごせない日が何日もあるのですが、今年は西日本に居た頃のように半袖でずっと過ごせるということで、確実に気温が上昇しているのを体感しています。これまで東北というと雪が多くて寒くて住みにくいというイメージでしたが、これからは日本で一番住み易い気候と言われるようになるのかも知れません。

 香港が中国に返還されたのが丁度10年前の今日。香港は今祝賀ムードに沸いているそうですが、一つの国に二つの体制、徐々に同化しつつも未だ香港人の反発は続いているようです。外国の方から「何人?」と聞かれた時、香港の方は決して「中国人」とは言わないで「香港人」と答えるとか。2003年に中国本土とCEPA(経済貿易協力化協定)を締結してから経済も徐々に好転。かつては日本人観光客が多かったのが、個人旅行の解禁などを受けて大陸から香港を旅する人が増えたようです。特に香港返還10周年の記念イベントが展開される中、6月30日より開催された「香港ショッピングフェスティバル」に合わせて個人旅行客数が急増したそうです。

 昨年、娘とツアーで旅した香港。新しいビルディングはライトアップされ、ヴィクトリア・ピークから眺めた100万ドルの夜景は確かに美しかったけれど、昼間に見えた古いビルは、老朽化してボロボロでした。セントラルのランドマークは、高級品を扱うお店がずらりと並んでいて、ため息が出るばかり。そこを歩く人々はスーツを着こなした見るからに上流社会に属した人たち。かと思えば、コンビニで僅かのお金を誤魔化す店員。注文しないものまで加えて請求するレストランの支配人。日本で格差社会と言われて久しいですが、香港でもこの格差はスゴイと感じました。高齢者向け福祉サービス、ガスや水道など生活関連業種など中国市場進出を開放し、香港の旅行会社の支店開設や銀行の投資の要件も緩和したりして、経済面で深まっていくことは間違いありません。何年か後に再び香港へ行って、その変化を見たいと思っています。日本から一番近い英語圏の地域は、魅力的です。イギリス領だった面影は失って欲しくないと思うのは私だけでは無いと思います。それにしても、高いビルが乱立している香港では、アマチュア無線はやりにくそうでした。

         2007年7月1日  FCWA事務局 JI7VBW/堀切洋子


●変化するものごとを観察するのは容易い。しかしそれをどう評価するかは難しい。昔はホタルが居た河川敷や藪の中も整然となり昼間の景観は美しいがホタルは居なくなってしまった。昔はヤマメの居た渓流は今は茂庭ダムになり、山形に通じた街道の宿場を含めた景観は無くなってしまった。福島市内の給水される水道水は匂いが変わり水温まで下がった。生活するためにはよいことだろう。昔は井戸水に頼ったものも多くは水道水に依存し下水道も完備してトィレまで様変わりする。しかしソレを維持し、使用するための経費も確実に増大している。従って所得も増加しなければならなくなっていることを忘れられない。短期的に利便を追求するだけでなく、長期にわたる影響まで考慮に入れた変化を予測して人は物事を計画しているだろうか?

○真偽のほどは判らないが、アィザック・ニュートンの書いた手紙が発見されて其の中に、「人類は2060年には滅亡するだろう!」と書かれていたというのだ。勿論筆者はニュートンの云ったことだとて信じられないがしかし可能性はあると思う。今間違って水爆を搭載したロケットがNYかモスクヮで爆発したら、忽ち次の3時間以内には地球上で20発の水爆が飛び交い、北半球は放射能の渦巻きの中に喘ぐのは間違いない。もしアメリカ本土でペストが大流行したら「これはテロだ!」と化学兵器の攻撃がたちどころに発生するだろう!経済の根幹の株式市況は大暴落し、貨幣価値はゼロになり、瞬時に輸送手段はとまり、数ヶ月であらゆる備蓄はなくなり、都会地は略奪の巷になるだろう。原子力発電所は運転エネルギィはあっても保守運用する人が居なくなり相次いで停止するだろう。人間くらい疑心暗鬼になりやすい動物は居ないから、都会地はレバノンの難民キャンプの様相を呈するだろう。

○こうしたことを考えると利便さもホドホドにしたくなる。この時に抵抗力のないのは人工的な物で成り立っている所から動かなくなる。自動車なんて鉄屑になる。電気のなくなった新幹線は動かない。電話?勿論ダメ!大規模なものから崩壊する!六本木ヒルズ、都庁は非常階段を上り下りしてまで住まう人はなくなるだろう。東京は廃墟になる。もう自然環境保護どころか、大都市はごみの山と腐敗臭が漂う埋立地さながらになるだろう。死にいたる最期の数ヶ月を人間らしくすごせる場所はかって不便と云われた本当の田舎に住む限られた人だけになるのは間違いない。

○最期に人はナニを求めるだろう?細々と残っている小さい放送局かアマチュア無線局が発するカボソイ地域のNewsを電池で働くQRPのRIGで聞きながら、愛する人と瞳を見交わし越し方を回顧しながら、弱弱しくベッドに横たわり手をつなぎながら、互いに愛し合ったことを感謝しながら迫る死を迎えるだろう!この辺は「渚にて」という映画と変わりないだろう。万葉集の中にある次の詩は正にピッタリだ。

●しき島の 日本(やまと)の国に 人二人ありとし思はば 何かなげかむ  巻14-3249

間もなく七夕様がくる。人類の繁栄が続こうとも人の一生はやがて誰もかれも死に至る。生きてあるときを無我に過ごす一夜を至高の時として己を見詰めてみることも大切ではないだろうか?!
                                
          2007年7月1日。 齋藤醇爾/JA7SSB Junji Saito


 繰り返しが進歩だ !
 
巻頭言 2007年6月1日 発行:福島CW愛好会

●CWモードの交信は、フォーンに比べて弱い電波でも比較的受信し易いこと、飲食しながらでも交信できること、風邪で声を出しにくい時でも交信できること等がメリットでしょうか。Hi ! 
記念局と言えば、私はこれまで横浜博や東北博などのイベント会場で数局しかQRVしたことしかなかったのですが、この4月、5月と長期運用する機会を得て、アクティヴに無線を楽しむことが出来ました。最初の頃は1時間で1局しか交信できなかったりして乗り気でなかったのですが、1時間で50局出来た日もあってコンテスト並みの応答率には、記念局の威力(?)を知った気がしました。FCWAメンバーの齋藤さんや千葉さんから色々とアドバイスを戴き、久しぶりにトンツーの交信を楽しめました。コンテストと違い急ぐ必要が無いので、ビギナーの方からも応答戴けるよう、ユックリのんびりCQを出しました。耳を澄ましてどうにか交信が成立した時は嬉しくなりましたし、コールしてもらっているのは分かってもどうしても聞き取れない時はガッカリでした。メンバーの方や元メンバーの方からも応答戴き大層嬉しかったです。本当に有難うございました。
 
○今回、多くの方から応答戴いて、分かったことが幾つかあります。相手のコールサインが分からない時に?やagnなどを打ちますが、@状態が悪い場合(コンデションが下がった時、一度に複数局に呼ばれた時)A相手に問題がある場合(符号が不明瞭でレタースペースがいい加減だったり、間違って叩いたりされた時、周波数がずれている時)B自分に問題がある場合(相手の速度が速すぎる時、無線に集中していないで他に気を取られている時など)色々な状況があります。Bは、自分が速い速度を聞く練習をして集中力を高めれば解決出来得ますが、@とAは、自分の力では解決のしようがありません。特に、A番の周波数のズレには閉口しました。周波数が+-300Hzも狂っている方もいらしたのです。実際のところ、半数近くの方がこちらの周波数からズレているところで応答してくるため、CQを出してはRITを右に左に回さねばなりませんでした。逆に考えると、なかなか応答してもらえない、あるいは「?」と、しばしば叩かれる方は、ご自分のリグがズレていないか確かめてみては如何でしょうか。又、符号の打ち方に知らず知らずに”くせ”が出て、自分では”フツー”に叩いているつもりでも、相手には、理解して貰えない事もあります。”味”を出すためにワザとそういう叩き方をする場合もありますが、せめて自分のコールサインだけは、長点:短点=3:1という基本とレター・スペースをキチンと守って、誰にでも分かる符合を心掛けたいものです。
 失敗したこととして二点ありました。@交信の途中でパドルの接点の接触が悪くなって音が出なくなり、あわてて紙を滑らせて事なきを得ましたが、交信する前に接点を磨くことから始めなければならない事を再確認しました。A交信記録をログにボールペンでメモしていったのですが、コールサインを叩き返す時に字がお粗末で自分で読めなくなって、もう一度聞き返したことが何度かありました。特に相手が早く叩いて来た場合、こちらも早く文字を書こうと焦った挙句の失態です。聞き取れているのに、後で読める字で書けなかったということは、日ごろ殆ど文字を書かなくなったという証です。(反省・・・)

○ともあれ記念局の運用で、CW交信の楽しさを改めて思い起こされ、貴重な体験となりました。時間は工夫して捻出するもの・・・何事も気持ち次第といったところでしょうか。今後如何に生かすか・・・ただ今模索中です。この機会を与えてくださった方々、そして応答いただいた皆様に改めて感謝申し上げます。有難うございました。

                                 
          2007年6月1日  FCWA事務局 JI7VBW/堀切洋子


●先日ある方がコンテストに参加する時にはドウしたらいいか?を聞きに来られた。勿論このWebに運用というところを開けば書いてあるが、其の方はコンピューターよりもキィで運用するQSO(ホレ)が主流で約5年も継続してこられた方だったから、コンピュータのかな文字とか英語には馴染まない所為か、LOGも手書きを主流にされていたために、このFCWAのWebでさえ余り御覧にならない。其のうちにハングアップするコンピュータに嫌気がさして、放置してあったのだ。

○しかしたかがコンテストだが、手書きではどうにもならないデュープ・チェックの壁に行きあたり、マルチの取得数が問題になる位の点数になるともはや手の施しようがなくなる。他の局が点数を伸ばしていくのに自分は伸び悩むことに気がつく、何故だろう?と云う疑問に悩まれたのだろう。そこで電子ログをお勧めしたが、馴れていない電子ログで運用していて約50近いコマンドを何かで間違うとコンテスト半ばでお手上げになってしまい、やはり元の手書きに戻ってしまわれたようだ!?

○これは私もソウだったのだ。CTが現れた1990年に2-3日練習して、私も得意になってARRLのCW部門にDOSコンピュータで参加したときに、果たして50局も行かないうちに、にっちもさっちも行かなくなったのだ。早速ダゥンしたCTを再立ち上げできたら、前のデータは消えている、呼べば「あなたとは前にQSOしていると半分の局から言われる、1年に1回しかないコンテストは諦めてしまった。

○日頃練習したいと思いながらも、CT(Zログの英語のオリジナル飯)の規定のコンテストは当時は5つくらいしかないから、次はCQWWまで待たなければ練習にもならない! こうして悶々としながら3年が経過した。コンピュータの勉強(たかがソフトの取り扱いだ)と練習を3年かかって私は克服できた。そして1994年のARRL,CQWW,で14メガのシングルバンドでJAの一位の賞状が届いたときの歓びは口では言えない喜びだった!

○私は皆になんとかして電子LOGでの整理をお勧めしている(単なる電子LOGではない!コンテストLOGのことだ!)コレはCQをLOGが出すだけではないのだ!---ソコに気がつくのは使いこなせるようになって後のことだ。使用し始めは一つか二つの便利さしかワカラナイ!ソレさえも他の特徴を運用するために約束事が一杯あるのが面倒で多くの人は蘊奥に至らずにやめてしまう。ソンナモノなくてもアマチュア無線はできるからだ。新しいことを取り入れるのはコトほどに己の鍛錬と訓練が必要なのだ。事務局長が記念局を運用していた背景もいろいろとあるが、今ひとつの壁を越えられたのを文面から感じて嬉しかった! 皆さんも是非一歩を進めるために年月が必要なことを悟って戴きたいのだ。繰り返すこと、時に自分の下手なことを人に知られることが恥ずかしいかもしれない。それを乗り越えるのが大切なのだ!
                                      
       2007年6月1日。 齋藤醇爾/JA7SSB Junji Saito


 Time is Money !
 
巻頭言 2007年5月1日 発行:福島CW愛好会


●新緑の候、桜の木も青々とした葉を繁らせ緑が眩い季節となりました。地球温暖化で色々なところで歪が出ているようですが、植物はそれなりに感応して精一杯に芽を出したり花を咲かせたりして息づいています。五月は1年で一番爽やかに過ごせる月かも知れません。梅雨が始まるまでのこの期間に、アンテナのメンテに努めたり、来るコンテストに備えて腕を磨いては如何でしょう。何事も日々勉強です。

○スイスが国を挙げて機械式時計の復活に取り組んでいて、現在30人前後の職人を養成中であるというニュースを見ました。200以上の部品を組み立て精度の高い時計を作る職人が一人前になるのには15年掛かるそうです。技術力は日本の方が上であるのでスイスを超えようと、国内でも雫石町の工場で若い技術者を育てる試みがあるそうです。しかし伝統を如何に守り抜くかという課題は大きく、一企業で成し得るのは困難が伴いそうです。アマチュア無線のアンテナを上げること一つを取り上げても、各人様々な工夫が成されていて、それらを他の人に継承していくことも大切なことではないかと思うこの頃です。ノウハウを個人だけに留めず多くの方に知らせていく努力も必要ではないでしょうか。

○職場を変わった方も、そろそろペースをつかめる頃ではないでしょうか。自分の力を信じてご活躍戴きたいものです。FCWAでは先月22日に総会が終わり、新しい組織でスタートしました。indoor部はJA7SSB齋藤部長、JA1OQG松田副部長、JO7INF川手副部長、outdoor部は、JN7LRG奥山部長、JL7UHK杉内副部長、そして新しく広報企画部が出来て、JN7CPW紺野部長、JI7VBW堀切副部長(事務局長兼任)が任命されました。今年度も楽しい企画を遂行して参りますので、皆様のご協力を宜しくお願い致します。
                                  
         2007年5月1日  FCWA事務局 JI7VBW/堀切洋子


●確か6月10日は「時の記念日」だったと思うのだ!話題としては早すぎるけれども2、3日前にイギリスの友人から面白いメールがはいったのだ。今堀切さんの巻頭言を読んでいて付加したくなったのだ。それによると5月の6日の02:03:04 05/06/07. 1103JSTにズラリと2、3、4、5、6、7と数字が整数で並ぶというのだ!フーン?と思っていた Hi!最近確かに職人技ということ言葉がよく聞かれる。会社でも職人芸に近い技能職の方々がドンドン退社して自動機の作業が増えてきた。確かに同じものが作れるが、その設定とチェックができるのは機械以上の能力を持った方が必要だということを忘れている。成型機がそうだ!誰でも操作はできるが、金型と成型機のマッチングなどが出きる人の居ないことには驚く。同じことは基板の修理などでも言える。不良を直せないのだ。マッタク無駄に近いことが工場では山積している。

○沢山作ることは上手だが、少量作ることはトンと下手になっている。口では品質などというが、作る人も、管理する人も、人質がついてこないのだ。だから試作品を作る事の下手なことには驚くのだ。設計の時の手順の下手なことにもビックリする。ところが中国とか韓国に行くと手作りの名人が若い人に多いのだ。日本の若者をみると使うことは巧いが、作ることは下手なのだ。多分自分で創造するということが欠けているのだろう。だから課題を与えないと何も出来ない。ロボットが流行る理由の一端が判るということだ。これが製品のリコールがやたらと多くなる原因だろうと思う。出来上がらないと見えないのだ!!

○身体で覚えるということが下手なのは多分学習ということの本質がつかめてないのだろう。至れり尽くせりの教材で通り一遍に手を使わずに目で見て教えられるから覚えないのだ。身体を張るという教育の場がない。アマチュア無線だってそうだろう。今日2006年度のフィールドディ・コンテストの表彰状が届いた! 連続4年、マルチオペ/マルチバンド/CW部門の第1位の表彰状だ。コレなども実践の結果だ。このくらい続けたら偶然だとか設備がいいとかは言わせない。Opの平均年齢は軽く50歳を越えるのだ Hi! FCWAの部長は50歳以下という不文律があったのを今年からやめて私も久しぶりに現役に復帰させていただいた。年寄りの冷や水といわないでいただきたい。現状に危機感を感じたのだ。若い方には失礼だけどシゴカセテ戴く所存だ。よろしく 73
                                      
      2007年5月1日。 齋藤醇爾/JA7SSB Junji Saito
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下の写真はICOMのIC-R9500という受信機で、2006年ハムフェアに展示された時のもので業務用の50khzから3350メガをフルカヴァーするものだ。

 2月7日に待ちかねたIC-R9500が到着した。お陰さまでSWL用のアンテナを張ることから始まって、ビバレージ・アンテナを張ることで日をすごしているが、アマチュア無線のような使用方法以外の使い方を学んでいる。好奇心は膨らむばかりで余命がもっと欲しいと考えるようになった。友人の好意の結晶のパラボラ、輻射器も完成した。最近になってやっと太陽電波を2800メガで受信できるようになった。この受信機が動作するのも多くの方たちのご好意によっている。ありがとう!
   齋藤醇爾

          


 The Cherry Blossom !
 
巻頭言 2007年4月1日 発行:福島CW愛好会


● 能登半島地震で多くの方が被災されました。心よりお見舞い申し上げます。特に輪島市付近では、高齢化が進んでいるため高齢者のケアが本格的に始まったと聞きます。避難所での生活は、さぞストレスが溜まるであろうとお察しします。輪島塗の製造、販売所も深刻な打撃を受けたそうですが、私は学生時代にゼミ旅行で輪島市や珠洲市を訪れたことがあり、当時茶道を習っていましたので輪島塗の棗(なつめ)をお土産に買いました。伝統ある漆器の生産が廃れることのないよう願っております。日本海の海の色や朝市など、のどかな田舎町といった印象で、今でも鮮明にあの風景が思い出されます。素敵な景色が地震で滅茶苦茶になったのかと思うと残念でなりません。一日も早い復興を望みます。

○暖冬の影響で、今年は全国的に桜の開花が早まっているようです。福島市では花見山付近で早くもマイカー規制を行っています。5年ほど前より規制が始まって以来、私は毎年のように訪れていた花見山への足が遠のいてしまいました。歩くのが苦手ですので、駐車場から重いカメラを担いで行くのに抵抗があるからです。気が向いた時にササッとドライブ出来た頃が懐かしいです。花の咲く様子が日々変わって毎日行っても飽きないと言われている花見山。歩ける方は、銀鉛カメラを持って散策されてみては如何でしょう。又、毎年ポリテクセンター福島の桜が早く咲くのですが、昨日見た限りでは未だ蕾がかたいようでした。2日に開花するという予報でしたので、そろそろでしょうか。

○新年度を迎え、新しい土地で出発された方も多いと思います。FCWAのメンバーも何名かの方が県外へ転出されました。新しい職場で、更に輝いて頂きたいと願っております。間もなく総会が開かれますが、今年度はどんなことをしようかと、もっか思案中。今年度はCW講習会の他に、技術的な勉強会などを企画して頂ければと思っております。総会に出席される方もされない方も、アイデアをお寄せ頂きたいと思います。常に学ぶ姿勢を持ち続けたいものですね。
                                 
       2007年4月1日  FCWA事務局 JI7VBW/堀切洋子


●春いまだ遠いというのは拉致被害者の家族の方々の心境だろう。ところで一般の新聞に「しおかぜ」という拉 致被害者の方々の運用する放送に対してジャミングがかかっているという記事がこの3、4日散見するようになった 。しかしどの新聞にも「しおかぜ」の放送周波数は発表されていないのだ。KDDIの休止していた八俣送信所を使 用するようになって多分強力な(100KW出力)信号が北朝鮮に届いていることから無視できなくなったのだろう。 詳細は不明だが多分過去の第1放送と言われているものはVTという名前で呼ばれているが日本国外からの時間レンタルで放送していたようである。この関連のWebはhttp://senryaku-jouhou.jp/shiotsuu.htmlで読むことが出来周波数・放送時間などのプログラムも発表されている。アマチュア無線家の皆さんも是非協力をしてあげて欲しいものだ。これらのNGOの方々は放送とか短波の事情に疎いことは当然だから書かれていることもいささかピントがずれていると思われるかもしれない。

○最近の短波放送の実情は、殆どアメリカとか中南米諸国などの放送が減少しているせいで、SWL(短波聴取者)も数が少ない。バンドを聞いても国際放送をしているのは中国、韓国、北朝鮮、ベトナム、台湾、インドネシァ、フィリッピンが90%以上に達し、英語圏の放送は殆ど聞こえない。これはCNNやNBCなどのTV放送がインテルサット経由でのTV放送に切り替わったためで放送局は2000年以降で半減しているといわれる。お陰でアマチュア無線ははバンド解放の機運が高まっているのだが、そのアマチュア無線も人口が減少して最盛期の半分にも(世界中)満たないと思われる。

○NHKなどは進んで北朝鮮向けの番組を短波放送で組むべきではないだろうか?かっての日本の国際放送は全世界向けて多いときは一日200時間を越えていたのだ。Hi-ヴィジョンとか、衛星放送にお金を食われているのかもしれないが、視聴料を取っている以上「しおかぜ」をバックアップする姿勢を見せて欲しいものだ。

○アマチュア無線家の我々のできることについては、聴衆状況報告などを送ってあげることしかないだろう。それによって妨害電波の詳細ももっとわかるかもしれない。info@senryaku-jouhou.jpへ皆さんの意見を送ってあげるのも良いだろう。

○新年度の計画を練るFCWAの総会が今月、開催されるのはVBWの上記のなかでも書かれている。お忙しいこととは思うけれど日本のアマチュア無線のためにも是非ご集合をいただきたい。では桜咲く会場でのアィボールQSOを楽しみにして---73
                                      
         2007年4月1日。 齋藤醇爾/JA7SSB Junji Saito


 学ぶ事は教わることではない!
 
巻頭言 200年3月1日 発行:福島CW愛好会

●毎日通る道で、道路工事中の所で交通整理をしている方をよく見かけます。日によって立っている方が替わり、目を合わせても無表情な人、黙って会釈する人、ニコッと満面の笑みで答える人・・・様々です。相手にニコッとされますと、こちらもニコッと返します。工事の騒音が凄いですから言葉掛けはしませんが、その方が立っているとホッとするやら気恥ずかしいやらとチョッと不思議な気分になります。その方は勿論修行僧ではありませんが、六波羅蜜(布施、持戒、忍辱、精進、禅定、智慧)の一つ顔施(笑顔の布施)を、無意識のうちに通行人に施しているわけで、素晴らしいと思いました。その方を通して、笑顔って素敵なコミュニケーションの一つだなと改めて思い、私も出来るだけ笑顔でいたいと思いました。

○3月は卒業の月。転勤や異動などそれぞれの事情でお別れがやって来ます。去り行く方を見送るのは寂しいですが、元気でいれば再びまみえる事も可能です。新たな船出にエールを送り、再会を誓って笑顔で送り出したいものです。今はインターネットがありますので、遠く離れても愛好会のWebにアクセスしてメンバーの様子をいつでも見て頂く事が出来ます。何と便利な世の中になったのでしょう。有り難いことです。

 数日前、花粉症対策食品を飲用してアレルギーショックを引き起こし一時意識不明の重態に陥った女性が居るとニュースで知りました。花粉症の方にしてみれば、それで効くと聞けば試してみたくなるのは当然です。私も花粉症の重症患者ですので、その心理がよく分かるのです。私の場合、病院で処方して頂く薬しか飲みませんが、他には携帯型イオン空気清浄機を首からぶら下げ、外出時には、帽子、マスクも手放せませんし、花粉対策用の飴も有効ですので常に持ち歩いて(なめて)います。血液検査で調べて頂いたらスギ花粉だけに反応するだけなので私はマシな方ですが、一年中何らかの植物アレルギーのある方もおられると聞きます。根本的な治療法が無いだけに大変ですが、自分に本当に効果のありそうなものだけを選んで怪しいものには手を出さない方が無難なようです。今年も例年どおりでしたら、4月一杯まではスギ花粉がそこかしこを飛び回っているはずです。ある日突然罹る花粉症・・・どうぞお大事に!

○勉強不足で思うようにソフトを使いこなせず、アアでもないコウでもないと、過日撮った写真をいじって過ごしております。Hi ! 4月の総会時にFCWA15周年記念QSLを会員の方に手渡し出来るようにしたいと考えておりますので、どうぞお楽しみに・・・。
                               
          2007年3月1日  FCWA事務局 JI7VBW/堀切洋子


●雪のない冬が東北であるなんて奇跡に等しい!冬物衣料と冬タィアとかチェーンが全く売れなかったと友人の店に立ち寄るとため息混じりに云われたが、それでも雪の無いのは働くものにとっては大助かりだった。しかし3月にドカ雪が降るのは珍しくないから注意が必要だ。編集後記で事務局長が書かれたが2月の11日にFCWAの有志の援助を得て私の八木アンテナのメンテが出来たのは偏にこの好天のお陰だった。私の介護とはアンテナ作業だ? 多くのOTやOMがKWの免許を変更し、パンザや鉄塔を撤去して垂直アンテナとQRPに変更しました!などと聞くと、近くにいたらお手伝いに行くのに!と残念に思うのだ。

○新聞を見たりTVでは、団塊世代が退職する為に技能が伝承されることなく消えていくということが話題になっている。アマチュア無線でも同じだ。アンテナ建設などは正にノゥハゥの塊りなのだ。八木アンテナの水平の出し方、メィンマストとマスト・ベァリングの位置、Uボルトの締め方からエレメントの補強作業、どれをとっても本では学べない。セルフタッピング・ビスを貫通ビスにするのは何の為か?等は長年の経験と観察眼しかないのだ。あげれても、補修やメンテを考えたアンテナの製作くらいムツカシイものはない。教えるのでもない、各人が盗み取るのだ。これを誰かが「FCWA式実践道場」と云われた。単にSWRをあわせるアンテナ建設では長持ちはしないのだ。

○技能を後代に伝えるのは、集団のリーダーの人柄にもよるのだろう。教えてやるから手伝え式では誰も集まらない。企業で技術が伝えられないのは、やはり上司の物事の処理と人としての尊重が不足しているからだろう。最近のように既存の買ったものを組み立てるだけの遊び方では、メーカーを超えられない、さりとて「これはメーカーの設計不良だ!」などと嘯く方がいるけれども、安く作るという商品の在り方を無視できないから自分に合わせた機材とか、機器に纏める遊び方が大切になるだろう。私はこの年になってやっと理解できたことも少なくない。しみじみと独りで出来ることの限界を知ることが出来るようになったのだ。
                                   
          2007年3月1日。 齋藤醇爾/JA7SSB Junji Saito


 より高きを求める!
 
巻頭言 2007年1月1日 発行:福島CW愛好会

新年明けましておめでとうございます。

●この年末にJM7TGV八木さんから「第1級アマチュア無線技士の試験に合格しました。」という吉報を戴きました。その前には、「JCC500を達成したのでアワード申請の署名をして下さい。」と訪ねて来られました。明確な目標を立て、それを着実に不言実行されてきたわけです。本当に素晴らしいと思いました。おめでとうございます!
 これまで私は年頭に目標は掲げてきましたが、例えば”無線のアクティビティを去年より高める”といった漠然としたものでしかありませんでした。しかし、今年は具体的な数字目標を持とうと思っています。抽象的な目標では、易きに流されがちで実現しにくいからです。先送りにしていた事も、そろそろ開始せねばと、気持ちを新たにしているところです。
皆様も、色々な目標を掲げられていることでしょう。それらがどうぞ実現しますように。本年も元気で前向きに挑戦していきましょう。本年も宜しくお願い致します。
 
○過日、5年ぶりに車の免許証を更新しました。田舎ほど車を使う頻度が高いわけですが、私の家はバス停や電停から遠く?車無しでは暮らしにくい場所にあります。免許を取得して、丁度30年になりました。ペーパードライバーだった時期もありますので決してベテランとは言えませんが、人身事故や物損事故を起こすことなく(信号で停車中、後方から追突されたり、バックして後ろをこすったこともありますが。)今日まで概ね無事に来れたことは幸せだったと思います。歳とともに視力が低下し瞬時の判断力や瞬発力も鈍って来ます。それをカバーするには、速度を控えめにして道を譲るなど精神的時間的ゆとりのある運転を心掛けるのが良さそうです。
 最近のドライバーで気になることは、信号で停止している時、停止線にピッタリ合わせて止まる車が少ないこと、止まっているにもかかわらず前の車との車間距離が1〜2台分隙間をあけている車があること、交差点の直前でウインカーを出す、あるいは全く出さない車が多いことなど。人のことはお構い無しでマイペースなドライバーが増えたということでしょうか。ウインカーは、停止線の30メートル以上前から出すと自動車学校で習いましたし、停止線ピッタリに止まるのが上手い運転だと教官が言われたのを覚えています。最近の自動車学校での教え方が下手になったのか、教わる方がキチンと聞いていないのか・・・・? 何はともあれ、時間にゆとりをもって今年も安全運転を心掛けましょう。
 飲酒運転などもっての外。ご年始でお酒を飲んだら、代行なり車を置くなりして決して運転しないようお願いします。この1年も、くれぐれも事故に遭わないよう気をつけましょう。
 
○1月28日(日)に今年度最後の行事『CW講習会』が、福島県青少年会館で開催されます。今年の2月にFCWA創立15周年を迎えますので、揃って記念写真を撮りそれをQSLカードに印刷する予定です。日程をやり繰りして日頃ご無沙汰している方も是非ともご出席をお願い致します。皆様とのアイボールを楽しみにしております。
                                  
2007年1月1日  FCWA事務局 JI7VBW/堀切洋子


●一年の計は元旦にあり!といいます。聞きなれた言葉でありながら、なかなか出来ないのが立案と実行です。FCWAのメンバーのJM7TGV、八木伸夫さんは私よりも御年上で電気が本職でないにも関わらずに念願の第1級アマチュア無線技士の試験に合格されました。一歩、一歩の前進を果たされた努力に尊さを感じます。いつも2mバンドのCWの運用をコツコツとされ、JCCも着実に増加されるその熱意に怠惰に明け暮れる人は反省し、真似をしなければなりません。私が初めてお会いしたのは、奥様を突然失い、息子さんが倒れたときでした。しかし愚痴一つ言わずに会合に出てきていらっしゃいました。今はコツコツと英語の学習をしてらっしゃいます。誰にでも真似の出来ることではないのは確かです。時々八木さんの家の前を車で通りすがりに見上げると2階の窓に明かりが点いているのをみると私は安心すると同時に発奮します。周辺環境に阻害されても新しい環境の中で己を取り戻して目標に迫る気迫には鬼気をさえ感じます。食べて寝て過ごす安易な生き様が流行る中にこうした古武士のような生き方をしていらっしゃる方には頭が下がります。八木さんの一層の健康を願い、後輩に言葉でなく実行する姿で教訓を与えて下さることにありがとうを申し上げます。本当におめでとうございます。

○世の中は暗いニュースが多い中で如何にして人生の未来に明るさを点すか?が今年の命題です。私は健康を維持する為に充分な睡眠と体調に変化が生じたらそれの改善を行えるように管理することを心がけ、死ぬまで働ける体を維持したいと努力します。そして余暇を、如何にして滅び行く職人技と技法を後代に伝えるかに更に努力したいと思います。価値観の異なる人達の中にはいって、古い価値観を新しいものに付加して、より完全にした技法を完成したいと考えるのです。ドィツには未だ「マィスター」という制度があります。3年間自分の街を出て見習いを繰り返して資格を取得するのだそうです。日本でも料理士とか調理士の徒弟制度があり、暖簾わけなどの言葉は残っていますが、安易にオカネを稼ぐことと使うことが流行る現代社会の職業観は、こうした身体をはって技法を学ぶ人の姿は滅多に見られなくなりました。

○世界は確実に変化しています。やがて人種差別も、国家差別も、宗教差別もなくなる時代が来ます。それは遅々としたものかもしれません。しかし歴史を仔細に学ぶと大きな変化の前に必ず小さな予兆が見て取れます。学問とはその小さな予兆を捕らえて、絶えず進路を修正することに他なりません。中には金正日や、アフマネジャド大統領のような指導者も居ます。しかし過去の歴史と文化の流れは曲がりくねった河といえども何時かは侵食でマッスグになり最後は海に流れ込んで平準化されていきます。そして再び雨になり降り注ぎ河の流れに入るを繰り返します。台風も津波もその内の一つの変化に過ぎません。高い山は侵食で低くなり、物理学のいうエントロピィの増大は平衡の時が必ずくることを予測していています。地球温暖化もその一つの現象にすぎません。人類はその中で現れた種のひとつで、わずかに20万年前に発生しました。星の進化の歴史の中での僅かな存在に過ぎません。種族の混血は着実に進み、人種という言葉がなくなるだろう事もマタ確かです。科学の進歩は自然淘汰を異常な速度で進めて居ます。それでも人の寿命は細胞分裂の速度の衰える年代を越えられません。死後の世界への畏怖感からと、現世の予測の困難な時代に生まれた想像の産物の宗教観は、科学の普遍で変化するものでしょう。その中で個人はその一生に何をすべきか?で個性を作り上げるのです。それを思想とか哲学といいます。
                                   
       2007年1月1日。 齋藤醇爾/JA7SSB Junji Saito

下の写真はICOMのIC-R9500という受信機で、2006年ハムフェアに展示された業務用の50khzから3350メガをフルカヴァーするものだ。
IC-7800と違うのは、ダブルスーパーではなくて、HFの30メガまでもトリプルスーパーになっている点である。2006年末の28日に出荷されたというが、お値段はオープン価格とだけICOMから発表されている。おそらく実勢価格ではIC-7800よりも少しだけお安い価格だろう?CPUと接続して瞬時にサーチしたり、波形を観測したり、電界強度をdB/m、dB/μまたはSメーターで読み取れる。スペクトラム・スコープは専用のDSPで構成されていてスペアナと大差のない表示が出来る。録音機能は内蔵のフラッシュ・メモリィを使用して3時間も連続して出来る。IF出力ポートは言うに及ばずTVもスコープ上に出るのだ。周波数の読み取り精度は+/-0.05ppmとキタ!ルーフィングフィルターはなんと5つも装備している。今後業務局のモニター受信機として何処へ行っても装備されることになるだろう。サーチ速度などが発表されていないが、1000chものメィン・メモリを走査するのだから早いだろう。現在市場にある如何なる受信機もこれには及ばないだろう。51J-2とか、ワトキンスのHF-1000Aも霞んでしまうのだろう。現在得られる受信機としては世界一といえるものだ。生きていてヨカッタ! 技術者としてはシミジミと感謝するのだ。それにしても早世した友がいたらと思う。

       齋藤醇爾