2024年 巻頭言・編集メモ
FQPを楽しみましょう! |
2024年12月1日 巻頭言 恒例になったFQP(FCWA CW QSOパーティ)を12月7日(土)の9時から21まで開催します。このQSOパーティも回を重ねて16回になりました。早いものですね。規約はこちら。 このパーティは、CW交信の活性化が目的ですので、自分の好きなバンド(出られるバンド)で都合の良い時間に参加いただければと思います。このパーティは、順位をつけて上位者を表彰しますのでコンテストの要素も持っています。本気になって何局と交信できるかに挑戦することもできます。 のんびりとCW交信を楽しむも良し、ギンギンに頑張って上位入賞を目指すも良し、自分のスタイルに合わせて楽しんでいただきたいとも思います。参加されたらぜひログの提出をお願いします。 では、FQPでお会いしましょう。 FCWA CW QSOパーティ マネージャー JH7UBC 畠 惠治 |
エジソンとモールス信号 |
2024年11月1日 編集メモ 先日、テレビのバラエティー番組を見ていたら、あの発明王として有名なトーマス・エジソンがモールス信号でプロポーズしたという話をした人がいました。 調べてみると、エジソンは若いころから耳が遠かったようです。最初の奥さんが亡くなった後、親しくなった娘さんにモールス符号を教えて、上達したころにモールス信号でプロポーズしたそうです。結婚後もモールス信号で会話を交わしていたようで、掌や膝を指でトントンと打ってモールス信号を送ったようです。 日ごろ電鍵でモールス符号を使ってCW交信をしている私としては、指先でモールス符号を打つときに長点と短点をどのように区別しているのかなー、などと考えてしまいました。長点は指先を少し長くつける、短点は短くちょんと打つのかな? アメリカでの求婚の一般的な言葉は、「Will you marry me ?」 モールス符号で打つと ・ーー ・・ ・ー・・ ・ー・・ ー・ーー ーーー ・・ー ーー ・ー ・ー・ ・ー・ ー・ーー ーー ・ ・・ー・・ うーーん 長すぎませんかね 単純に「marry me ?」かな? 状況からすると、目線と口パクでも通じそうだと思ったりして 私は昔、手話を使う環境にいたことがあります。情報を伝えるのなら絶対手話の方が速いし内容も伝わりやすいです。エジソンの時代に手話があったかなかったか分かりませんが、モールス符号でのやりとりは、簡単な単語なら良いですが、長い文章は難しいのではないかなと思います。 歴史に難癖をつけるわけではないのですが、いろいろと考えさせられました。 ホームページ編集委員 JH7UBC 畠 惠治 |
10月はストレートキーコンテスト |
2024年10月1日 編集メモ 10月27日(日)15:00〜21:00に第 9 回 A1CLUB STRAIGHT KEY コンテストが開催されます。このコンテストは、縦振電鍵など単一接点のキーだけを使用するコンテストです。速いものでもう9回なんですね。規約は、こちら。 CW運用局のほとんどはエレキーを利用していると思いますが、このコンテストをきっかけに縦振電鍵に挑戦してみてはいかがでしょうか。たまには縦振電鍵での運用も楽しいものです。 縦振電鍵で思い出したことがあります。核戦争後の世界を描いたグレゴリー・ペック主演の映画「渚にて」です。核戦争で誰もいなくなったと思われたところから暗号と思われる信号が送信され続けていました。潜水艦に乗って捜索に行ってみると、風に吹かれたカーテンにつるされたコカ・コーラの空き瓶が電鍵を押していたのです。 今、世界には約1万発の核弾頭が存在すると言われています。各地で紛争(戦争)が起きていて、核の使用をほのめかす国もあります。しかし、核のボタンを押してしまったら世界は「渚にて」の世界のように死の世界になってしまうことは間違いありません。核兵器は絶対に使用してはいけないことを肝に銘じなければなりません。 ホームページ編集委員 JH7UBC 畠 惠治 |
自然災害とアンテナ |
2024年9月1日 巻頭言 8月29日に九州に上陸したのろのろ台風10号は、今日現在紀伊半島沖にあり、明日にも再上陸すると予想されています。この台風は強風と大雨で各地に大きな被害を出しています。 我々アマチュア無線家にとっても台風は、大きなダメージを与える自然災害です。特に台風による強風はアマチュア無線局の最も重要な装置であるアンテナには恐怖です。2007年に上げた当局のアンテナ(3エレSteppIR)は、2009年10月に襲来した台風によって下の写真のように回転させられてしまいました。 ![]() この時は、業者さんに元の位置に戻していただきました。(自分ではタワーに登れないので) 台風の他にもこちら雪国では着雪による被害もあります。下の写真は、2007年11月の着雪状況です。 アンテナエレメントが大きくたわみましたが、折れることはありませんでした。 そしてアンテナの最大の強敵は雷です。当局は幸い落雷の被害を受けたことはないのですが、FCWAのメンバーでは甚大な被害を受けた局もあります。これはアンテナにとどまらず大切なリグまで被害を受けてしまいます。 いずれも自然災害なので、避けることは難しいですが、日ごろから被害を最小に抑える工夫と被害を受けたら迅速に回復することが大切ですね。 ホームページ編集委員 JH7UBC 畠 惠治 |
全福島マラソンQSO |
2024年8月1日 編集メモ 7月25日(木)から31日(水)まで、JARL福島県支部主催の第55回全福島マラソンQSOが開催されました。1週間の長丁場のコンテストです。各バンドで福島県の局、他県からこのコンテストに参加している局のCQが聞こえましたね。 以前は、年2回(2月と8月)、10日のコンテストでしたが、やや長すぎるということで2013年から年1回(7月開催)1週間の今のスタイルになりました。最近は、毎回100局程度の参加局です。参加局は7MHz帯が最も多く1.9MHz帯から430MHz帯まで各バンドに参加局があります。 当局は、今年も3.5MHzで参加し、毎晩交信を楽しみました。モードは主にCWですが、久しぶりにSSBにも出てみました。交信いただいた各局ありがとうございました。 今回ロギングソフトは、HAMLOGを使い、CQはDigitalSoundCWを使って出しました。応答は縦振電鍵で行いました。交信スタイルは、599BKではなく、 ほぼ普通の交信で行いました。ということで局数はそれほどではなかったのですが、十分にCW交信を楽しむことができました。1st QSOの局も多く、ほんとうに楽しめました。たまにはコンテストも良いものです。 ホームページ編集委員 JH7UBC 畠 惠治 |
太陽フレア |
2024年7月1日 編集メモ 5月8日から15日にかけて、大規模な太陽フレアが発生しました。FCWAのメーリングリストでも事務局からいち早く報告がありました。その後も太陽活動は活発なようです。 太陽フレアは、太陽の黒点付近における爆発によって、紫外線、X線、磁気を伴ったコロナガス(陽子と電子のプラズマ)が放出される現象のことです。今回は、最大クラス(Xクラス)の太陽フレアでした。これによって地球にも様々影響がありました。詳細はNICTのこちらのページをご覧ください。 この太陽フレアによって、デリンジャー現象が発生して、HF通信が影響をうけました。皆さんもお気づきだったと思いますが、HF帯が聞こえなくなりましたよね。これはHFを利用しているアマチュア無線家にとっては、ちょっと困ったことでした。また、GPSも影響を受け、位置情報に誤差が生じたようです。巨大な太陽フレアの場合地上の電子機器や送電施設などにも影響があるようです。 普通、高緯度の地域でした見られないオーロラが比較的低緯度の地域も見られるという現象がありました。今回も日本各地でオーロラの報告がありましたね。これは少しうれしいことでした。 実は、フレアという現象は非常に危険なのです。紫外線、X線、コロナガスは、いわゆる放射線です。これによって宇宙ステーションにいる乗組員などは、大量に被曝する可能性があります。また人工衛星などが破壊されることもります。 我々の地球は、地球磁場と大気をもっており、バリアのように荷電粒子など放射線を入れないよう守っています。ほんとうに地球は宇宙の中のオアシスなのかも知れませんね。 ホームページ編集委員 JH7UBC 畠 惠治 |
会長あいさつ |
2024年6月1日 巻頭言 皆様方には、本年度もお世話になりますが、よろしくお願いいたします。 |
ボエジャー1号の信号復活 |
2024年5月1日 編集メモ 4月23日驚きのニュースが飛び込んできました。今から46年前に打ち上げられ、惑星探査の任務を終えて太陽系外の宇宙を飛行していたボエジャー1号から解読可能な電波が送られてきたとNASAが発表したのです。昨年11月から機器の故障ででたらめな信号を送ってきていたのですが、復旧を試み、解読可能な電波を送るようになったのです。ボエジャー1号は、現在地球から240億kmの位置(地球と太陽の距離の160倍)にあり、電波は約22分かけて地球に届きます。人工物からの意味のある電波ととしては、最長の距離からということになると思います。 1967年、宇宙からの規則的なパルス性の電波を天文学者がとらえました。すわ、宇宙人が発した電波なのかと世界中が沸き立ちました。この正体は中性子性からの電波であることが後日分かったのですが、地球外生物と交信したいという願望を我々は持っています。1974年にプエルトリコのアレシボ天文台から宇宙に向けて発せられたアレシボメッセージはその願望を形にしたものです。 アマチュア無線をやっていると雑音とは異なる不思議な電波を受信することがあります。また、長時間エコーと呼ばれる不思議な現象を経験することもあります。VUHFにおいてもダクトなどの異常伝搬に遭遇することもあります。まだまだ我々が知らない電波伝搬現象があると思います。そして、我々が気づかない電波の中に宇宙からのメッセージが込められているかもしれませんね。 アマチュア無線は、「ワッチに始まりワッチに終わる」と言われます。たまにはマイクやキーを置いて、ダイヤルをゆっくり回しながら様々な電波を受信してみてはいかがでしょうか。 ホームページ編集員 JH7UBC 畠 惠治 |
SK |
2024年4月1日 巻頭言 CW通信で使う略符号SK(・・・ー・ー)は、交信の終了時に送る符号です。 この「SK」にはもう一つの意味があります。「Silent Key」すなわち訃報やオペレーターの死亡を表します。 3月15日にFCWAのメンバーであるJA7GND渡辺栄さんが亡くなられました。渡辺さんと私は高校の時からの無線仲間で、社会人になってからの30年近くは音信がなかったのですが、FCWAに入会して再会した友人でした。 3月17日にFCWAの事務局からJA7GND SKの連絡を受け、驚くとともにたいへんショックを受けました。 「畠くん あのさ・・・」と笑顔で呼びかけてくる彼の姿は、高校の時から最近まで変わりませんでした。FCWAの一員として、ホームページ編集に携わるなど、いつも確実に役割を果たされました。無線関係では、いろいろなことに興味を持ち、最近はFT8でDXを楽しまれていたようです。もう少し長生きして無線を楽しんでほしかったなー。 葬儀には参列できませんでしたが、3月20日(水)21:00からのFCWA交信会が終わった後に JA7GND JA7GND DE JH7UBC JH7UBC 73 73 SK と打電しました。天国のJA7GNDにきっと届いたと思います。ご冥福をお祈りします。 ホームページ編集員 JH7UBC 畠 惠治 |
もうすぐ春ですね |
2024年3月1日 編集メモ 今年は近年にない暖冬だと思っていたら2月の末から寒い日が続いています。朝起きると雪が積もっている日もありました。しかし、3月になれば一気に暖かくなってくるだろうと思っています。中旬には各地の桜の開花の便りが届くことでしょう。 2月10日〜11日に開催された第40回KCJ TOP BANDコンテストのログが締め切られ、KCJのホームページで参加局数を見て驚きました。海外局も含め240局のログ提出があったようです。トップバンド(1.9MHz帯)という長いアンテナが必要なバンドにもかかわらず、多くの局が参加したこと、CWモードだけのコンテストであることを考えると、ローバンドのCWファンがたくさんいることに感動しました。 1.9MHz帯は、普通のAMラジオ放送の周波数帯のすぐ上のバンドで、中波帯に属します。中波といえばローカル放送を連想しますが、以外にもその電波は遠くまで届くものです。主に夜間帯にですが、日本国中はもちろんオーバーシーも可能です。今回のコンテストでも日本の全てのエリアと交信できましたし、ロシア局とも交信することができました。、 さて、AM放送ですが、青春時代ラジオ放送を聞きながら勉強したことを思い出します。私は大学まで福島市に住んでいましたが、夜になると東京の放送局がよく入感しました。TBSラジオ「パックインミュージック」やニッポン放送「オールナイトニッポン」などを夜な夜な聞いていました。、そしてFENから流れてくるジャズも。 総務省の方針では、AM放送を段階的にFM放送に移行させるようです。時代の流れを感じさせられます。中波帯は季節にかかわらず安定した比較的近距離の通信にたいへん有効です。使わくなったAM放送の周波数帯をアマチュアに解放してくれないかなー。 ホームページ編集員 JH7UBC 畠 惠治 |
太陽黒点数 |
2024年2月1日 編集メモ 私が住む福島県会津では、近年になく雪の少ない冬を過ごしています。今日現在も雪は、まったくなくスキー場が悲鳴をあげるくらいです。そういえば、ここ数年暖冬傾向が続いています。 定説では、二酸化炭素の放出量の増大による地球温暖化が主たる要因であると言われていますが、一方で、こういった気象現象と太陽活動を結びつける議論があります。確かに太陽活動の活発期に入っていることは間違いありません。太陽の黒点数が多くなり、巨大太陽フレアや地磁気嵐が度々発生しています。 フレアや地磁気嵐は、人工衛星や無線通信に大きな影響を与えるばかりではなく地上の電子機器にも影響を与えかねません。我がFCWAの事務局長からもメーリングリストにフレアや地磁気嵐の情報記事が昨年はしばしば投稿されていました。 太陽黒点数が増え、電離層がの活動が活発になると、我々アマチュア無線の世界ではハイバンドの伝搬が良くなり、遠距離交信が活発に行われます。いわゆるDXがきくコンディションになります。今年から来年にかけてがサイクル25のピークになるような予報で、事前の予報より極大が大きくなる勢いです。 サイクル24の時は、私は退職して間もなくでしたが、大いにDX通信やEスポを楽しみました。皆さん、サイクル25を大いに楽しみましょう。宇宙から地球を眺めると太陽からやってきた荷電粒子と地磁気の影響で地球がほうき星のように見えると言われています。ほんとうかな・・・とちょっとロマンチックになりますね。 ホームページ編集員 JH7UBC 畠 惠治 |
アマチュア無線を楽しもう! |
2024年1月1日 巻頭言 新年あけましておめでとうございます。 昨年12月2日に開催しました第15回FCWA CW QSOパーティにはたくさんの局にご参加いただき、ありがとうございました。また、たくさんの局にログを提出していただきました。重ねてありがとうございます。集計チェック後、今月上旬には結果を発表したいと思っています。 ログを提出していただいた局のコメントには、パーティを楽しんだという声が多く、FQPの目的が十分に達成できていると感じております。 この「楽しむ」ということこそがアマチュア無線の本質であると思います。業務無線が無線通信を情報伝達の手段(道具)としているのに対して、アマチュア無線では、無線交信を行うこと自体を目的としています。災害時の通信や社会貢献は、無線通信の技術を持つ者にとっては当然のことですが、あくまでもアマチュア無線家として無線通信を楽しむということになります。 あなたは、初めてアマチュア無線で交信したときのことを覚えていますか?マイクを持つ手が震えて緊張して交信したことでしょう。CWなら電鍵を打つ手が汗ばみ、頭の中が真っ白になったことでしょう。でも交信できた時の喜びは人生の中で忘れられない大事なものですね。そのことを忘れずに今年もアマチュア無線による交信を大いに楽しみましょう。 ホームページ編集員 JH7UBC 畠 惠治 |