CWの受信テクニック
CWフィルタを装着する SSBモードと異なり、狭いCWバンドでは、近接して多くの局がON AIRしています。 混信をさけるために帯域幅500Hz程度のCWフィルタを装着する必要があります。 ただし、DSPを取り入れていている最近の無線機では、その必要はありません。 DSP機では、任意の帯域幅にセットできますが、あまり狭くすると周波数が少しずれて 呼ばれたときに呼ばれたことに気づかないということもあります。 500Hz〜300Hzにセットするのが良いでしょう。 混信を受けたときは、帯域を狭めるか、IFシフトなどの機能をうまく使って混信を除きます。 |
CWピッチとゼロインについて CWピッチとは、CWを受信したときの音のピッチ(周波数)のことで、ほとんどの受信機で、 好みの周波数にセットするすることができます。CWピッチは、一般的には、600Hz〜800Hzです。 CWピッチをセットできない受信機では、信号が一番強く受信できた時の音の周波数が、CWピッチです。 CWピッチと受信音が一致したときに、相手の送信周波数と自分の送信周波数が一致した状態、 すなわちゼロインした状態になります。 サイドトーン(送信した時に自分の信号をモニタする音)はCWピッチと一致しているリグでは、受信音と サイドトーンの音が同じ周波数になるようにすれば、ゼロインしたことになります。 最近のリグは、ゼロインをアシストする機能を有しているものが多くなりました。 TS-590のCW T.(CW TUNE)やFT DX 5000のゼロイン・インジケータなどがその例です。 |
フルブレークインとセミブレークイン CWモード独特の送信と受信の切り替え機能です。 例えば、CQという符号を送信する場合、送信機は、符号通りに−・ −・ −−・−と電波を送信します。 この時、長点や短点(マーク)の間や文字間にに電波が出ていないスペースがあります。 このスペースの時に受信できる状態が、フルブレークインです。 これに対して、送信から受信に切り替わるタイミングを数ms遅らせて文字内のスペースや文字間のスペースで 受信しない状態にしているのが、セミブレークインです。 コンテストの時や自分でCQを出しているときなど送信中に相手が呼んでくる場合が多々あります。 フルブレークインモードにしておけば、自分が送信中にも相手が呼んでいるのに気づくことができます。 これに対して、普通の交信では、送信中は受信しないセミブレークインの方が落ち着いて交信出来るかも知れません。 このように、交信の状況によって使い分けます。 |
AGC(オート・ゲイン・コントロール)について 受信機には、弱い信号も強い信号も適正に受信できるようにAGC回路がついています。 SSBの受信では、一般的にAGCは、LOWかMIDにセットしています。 CWの場合、一般的にはAGCをFASTにセットしますが、一番受信しやすいAGCモードを選びましょう。 |
ATTの利用 近接の周波数からの混信がひどい場合、目的の信号がブロックされたり聞き難い場合があります。 高級なリグでは、ルーフィングフィルタなどで混信に強くなっていますが、そのようなものがない場合は IFシフトやCWリバースで混信から逃げる方法もあります。 その他に、ほとんどの受信機にはATT(アッテネータ)機能があります。ATTを入れて、信号を弱めることで、 混信が緩和されることもあります。試してみて下さい。 |
NR(ノイズリダクション、NB(ノイズブランカー)について 電波を受信していると様々なノイズで目的の信号がうまく受信できないことがあります。 「ザーザー」というような連続的なノイズにはNRが効果的です。 これに対して、「パリパリ」というパルス的なノイズには、NBが効果的です。 NRとNBをうまく使ってCWを受信しましょう。 |