The Hamradio の見方と解説      編集部

発行してから既に6年になる,このホームページはいろいろな工夫を凝らしている為
に初めての読者が読まれると、どうなってるのかお分かりになり難いかも知れ
ません。そうした方の為へのご案内です。

○表紙には大きな4つの項目が設定されています。

 FCWA  は「福島CW愛好会」関連の会員の為の資料集です。この中にJA7ZBF
      のクラヴ局のページも設けられています。
 Science は科学の話題を取り上げて居ます。
 DX News は一般的なアマチュア無線家の為の最新の局の情報資料です。
 Extra  は編集委員の書く論説のページで,社会事象等を対象にしています。
○発行、改版は原則としてFCWAは月に数回以上,お知らせ等は随時更新されます。
 そのために改版の日付をわかりやすく設けてあります。同日日付でも更新され
 るときがあるので 2nd edition (第2版)のようにDXニュースでは記載しています。
●一番面倒なのはDX Newsでしょう。何しろ膨大なデータを収録しようと欲張る
 ために読み方にコツがいります。DX Newsをクリックすると画面が切り替わります。
 この最初のページはガィドと呼ばれています。本の目次(Index)にあたります。
 下に枠があって現在更新された日付と版が小文字で書かれて居ます。毎日更新
 されているのはPropagationQRV,QSL,Reportの2つです。しかも1日に3-5回も
 書き換えられます。

○これは刻々と変化する空中状態とか入感状態を数時間毎に知るために必要だ
 からです。とりわけPropagation(電波伝播)は朝,昼,晩と大きく変化します。
 その為にMUF、太陽風速度、太陽の輻射するX線のグラフは頻繁に更新されます。
  翻訳者であり著者でも有るJA7SSBは通常,午前中に1回,午後には3回以上更新
 しています。
@DXがお好きな方なら「Propagation」をマズ開いて下の方に入っている昨日と
 今日のK値のグラフを見てください。この時間はGMT(UTC)で書かれて居ます。
 これは0000Zは0900JSTです。アメリカのコロラド州のボゥルダー市のマゥンテンヴューの観測
 値、日本の柿岡(N-36.14, E140.11で栃木県宇都宮市の東)、それとアメリカの
 アラスカ州のアンカレッジの北の観測点の3時間おきのKの計測値を記載しています。
 K値が3以下ならまずまずで、K>4を越えると電離層が中和されて高い周波数
 の反射係数が下がり感度が無くなります。Kが5以上の時は激しい地磁気嵐で
 す。Kが1-2は緑色、K=3はクロ、K=4は紫、K>5は赤で表示しています。ミドリ色
 なら地磁気は静穏で障害はありません。

A次に太陽面から輻射されるX線のグラフをご覧下さい。この左にはC級以上の爆
 発があった時間が記載されています。赤いグラフの線分がMに入ったら危険で
 す。強いX線は電離層の中でも一番低いD層と呼ばれる50-80kmの高さにある
 吸収層を大きく変化させます。X級のコロナ爆発が発生するとほぼ5分後から伝
 播障害が10メガ以下で始ります。そして徐々に中和されて数時間でこの減衰
 は無くなります。これをブラックアゥトといい7メガ等では障害が始るとバンドはみ
 るみる内にスーッと消えていきます。

B太陽黒点数は昔から著名です。しかしこの数値は目視で黒点の群と数を勘定
 しているので正確な傾向を見るにはソーラーフラックス値の方が良い様です。これは
 太陽に大きな電波望遠鏡(パラボラアンテナ)を向けて10.7cm波長2800メガの受信機
 で太陽雑音をきいてバンド幅,時定数を合わせて,太陽の輻射エネルギィを測定し
 た値です。カナダのブリティッシュ・コロンビァ州のペンティクトンにある観測所で測定した値
 で統一されます。このソーラーフラックス値と太陽黒点数は相関関係がありますから
 (表がこのWebにも解説のページに埋め込まれて居ます) この数値の移行する
 傾向を数日前と比較すると今日のコンデションが推定できます。(その為にWebで
 は10日間の毎朝0900JSTの数値を並べて掲載しています。)黒点数の多少は
 直接には伝播には影響しませんが,急成長する黒点は多くその周辺から炎を
 あげて大きな磁力線を伴う爆発が起こります。これがコロナ質量放射(コロナ爆発
 ともいいます)を起こすので黒点数が多いとその可能性も増大します。

Cその為に現在の太陽黒点の性質を捉える必要があります。これがRaben研究
 所の太陽面の表と裏の図面です。同心円を5つに分割してそれぞれの黒点毎
 に活発度,フレァ爆発の傾向などが毎日発表されています。太陽裏面の黒点は太
 陽の自転で表面に再出現するので注意が必要なのです。

DPropagationを開くと左側に太陽面の写真が二つ掲載されています。上の写
 真は人間の見える波長で撮影されていますが,下の写真は紫外線で撮ってあ
 ります。ここに黒い帯状のものが見えるのが,コロナホールと呼ばれるもので黒点
 よりも温度が低くなっており,この場所からは正の電荷を持つプロトン粒子が
 放出されます。これを太陽風と言います。この太陽風は太陽面を発してから
 約2日で地球の大気圏に到着します。(平均時速は400Km/秒)このプロトンは正の
 電荷を持つために上層大気を電離して存在するイオン層(電離層EとF)を中和し
 て電離層が薄くなります。結果として10メガ以上のバンドの使用可能周波数が
 低くなり電離層反射が少なくなります。太陽風速度が650km/秒を越えたら危
 険でK値は4以上を示すのが普通です。

E黒点の位置とコロナホールの位置は大切です。太陽は御存知のように球形をしてい
 ます。その為に太陽の赤道にあって中央にある時に地球はその輻射エネルギィを
 最大に受け取ります。もし同じ爆発でも太陽面の東とか西の端で大きなフレァ
 が発生したら大部分のX線は地球外宇宙に飛び去ります。此れはコサィンで効き
 ます。(余弦法則)

●最近文中で下の方に今日,昨日,一昨日の3日間のK値をボゥルダー,柿岡,アンカレッジ 
 の時間毎の(3時間おき)数値を付加しました。これを見ると傾向が判ります。
 Kが3は黒字ですが,これが不安定な、4は軽い磁気嵐,5は強い磁気嵐,で色が
 かえてあります。2以下は静穏な磁気状態を現しています。現在が悪くても
 傾向を見る事である程度の判断が出来ます。K<3なら安心してワッチして下さい。
 
これらの事が私達のWebから読み取れれば貴方は随分と便利な武器を入手した
ことがお分かり戴けるでしょう。
アマチュア無線は趣味の送受信の交信ですから,概ね個人の生活時間と比例してい
ます。聞こえない原因は、相手の地域の昼間か,夕方か,夜間か?という事も
関係していて空中状態だけではありません。特殊なペデションなどでは24時間フ
ルで運用してくれますがマズは希です!そこで「QRV/QSL/Report」という欄が
設けてあります。このページはパケット・クラスターを中心にして日本で珍しい局の状
況を知るために,編集部で時間毎の(UTC表示をしています)珍局を掲載してい
ます。英語で書かれているのは外国のアクセスに対して見えるページを心がけてい
るためです。

@まず誰がレポートをしているかです。その地域とは伝播が開けている事が判り
 ます。そして相手のコールサィンで珍局の動作しているバンドが周波数単位で判り
 ます。時にはOpの名前とかQSL情報も書き込まれて居ます。

A相手局のコールサィンに黄色のハィパーリンクが付いている時は,クリックして下さい。今週
 或いは最新のDXニュースと連動して,その局のアクティヴィティや情報をより正確に知
 る事が出来ます。DXニュース欄を見ても情報が多いために覚えきれないので設
 けたものです。

B普通のパケットクラスターは25とか100局位しか見る事が出来ない為にペディ局の有
 無を逃すことがあるのはお気付きの通りです。この欄は過去1週間以上の活
 動度を見る事ができ特定局の運用周波数の癖を捕らえることで受信のコツ
 がわかるのです。

Cこのページの上の欄にあるyou click here colomnをクリックすると貴方のレポ
 ートをサミットというDXクラスターに送ることが出来ます。正しいRPTを送るように心
 がけて他のアマチュア無線家の役にたつことも大切なマナーなのです。
このWebを発行してから6年が経過します。時々編集者が出張をして不在の時
は編集部の常置場所の福島市以外からサーヴァーにアクセスして更新していますが時
差の関係で切り替えが不定期になることがあります。お許し下さい。
お判り戴けたでしょうか? 他にコンテストのページとかありますが,皆さん
の有効な御使用をお待ちしています。 2003年12月28日改版JA7SSB 齋藤醇爾