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巻頭言

 2020年8月1日  編集メモ

水晶振動子

 FCWAの会員によるメーリングリストで「真空管」の話題があった。開局当初のリグは、真空管を使った送信機、受信機、VFOの組立キットではあったが、現在では真空管を使ったセット製作などから足を洗って久しい。昔のラジオ少年は、真空管を使った受信機からラジオの製作を始めた。真空管のセットは真空管はもちろん、ソケットや抵抗、コンデンサなどの部品の使い回しができて自由度が高かった。

 大学を終え、最初に就職したのは水晶振動子を作る会社だった。私が入社した時代はCANタイプの水晶振動子が主流だった時代で、私は800kHz~2MHz帯の水晶振動子を設計する係に配属された。水晶振動子とはその名の通り水晶が規則正しい周波数で振動することから名付けられたものだが、担当する周波数帯は振動子の厚みが厚く(つまり重くなる)また、重い水晶板をCANに封入することから、がっちりと固定してしまうとインピーダンスが高くなって振動できなくなるため、ソフトにサポートする必要があり、なかなか難しい周波数帯であった。

 担当する周波数帯は中波ラジオ放送周波数も含まれている。昔のラジオ放送の周波数は10kHz間隔であったが、これが9kHz間隔に変更された。これはかなりドラスティックなことで、この状況をテレビ放送にたとえれば、アナログ放送が地デジに変更されたようなものである。在京のあるラジオ放送局からこの周波数変更に伴って、予備発振器の水晶振動子の周波数変更の依頼が来た。

 放送機用の水晶振動子を製作する部材も無くなっているので、現用の振動子の部材を使って”改造”する事となった。その時放送局からは、発振器のユニットごと送られてきた。その発振器に使われていた真空管は「807」だった。もちろんユニットには電源はないので、電源トランス、整流器、平滑用のケミコンがあれば簡単にできるので、

 社内で部品をかき集めて電源を組み立てた。これはラジオ少年がラジオを組み立てた経験が役に立った。試運転のため電源スイッチを入れてしばらくすると、「パーン!」と工場内に鳴り響くほどの音と共にケミコンが破裂した。ケミコン破裂以外に出火等の災害が発生しなかったのは幸いであった。

 その発振器ユニットに使用されていた水晶振動子の型名は「A-1」というものだ。なにか昔の電波型式A1と似ている。今から60年ほど前に作られた放送機用水晶振動子は博物館級のものだ。現在では、水晶振動子も当時では考えられなかったほど小型・高精度に作られるようになり、われわれのリグにも搭載されている。



 写真は、当時使用されていたA-1形水晶振動子である。直径は6cmほどである。ケースの中にある銘板には「1130kc」の文字と型名「A-1」が見える。写真では写っていないが、製造年月を示す「37.1」も彫刻されている。依頼の水晶振動子は、なんとか在庫していた部材で作ることができたので、旧品は記念として頂いた。 

                     HP編集員  JA7GND 渡辺 栄 
 2020年8月1日  編集メモ

SWR計

 SWR計(Standing Wave Rasio meter)は、我々アマチュア無線家には、必須の測定器ですね。下の写真は、当局が開局当時(1977年)から現在まで使用しているSWR計です。



 最近、7MHz QRP CW送信機を製作したのを機会に、QRPでもSWRを測定できるSWR計が欲しいと思い、製作を始めました。回路は、トロイダルコア活用百科に掲載されているもので、ネット上に製作例が多数見られます。下の写真は、実験中のQRP SWR計です。



 下に見えるボリューム(100kΩ)に100uA程度の電流計を付ければ、進行波と反射波の比率からSWRを測定することができます。当局の2W出力の7MHz QRP CW送信機でも測定可能です。

 このままでも筐体に入れて仕上げれば、QRP SWR計として使えますが、測定には送信機が必要です。できれば、メータを使わずデジタルのSWR計を作り、簡単なSG(信号発生器)でSWRを測定できるように発展させていきたいと思っています。

 完成まではもう少し時間がかかりそうですが、あれやこれやと試行錯誤して作っていく過程が自作派には面白いんですよ。趣味ですから気楽に製作を楽しむことができます。そして、今年古希を迎える小生には頭の老化防止にもなります。HiHi

                     HP編集員  JH7UBC 畠 惠治